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2015年01月17日

筋交いなどが不十分で構造に問題のある建築物件が阪神・淡路大震災で被害が大きかった住宅

コンビニ映像に残された阪神・淡路大震災の破壊力

6434人が死亡した阪神・淡路大震災から17日で20年になります。
阪神・淡路大震災では住宅およそ24万9000棟が全半壊し、神戸市や兵庫県西宮市など、特に被害が集中し震度7を記録した長さおよそ25キロ幅1キロ前後の地域は「震災の帯」と呼ばれました。

見つかったのは、この震災の帯の中や周辺で激しい揺れの瞬間を記録した20か所のコンビニエンスストアの防犯カメラの映像で、東京大学に保管されていました。地震の激しい揺れは、地震計の記録から15秒ほどと分かっていますが、映像のほとんどは数秒で途切れていて、揺れ始めの数秒間の破壊力を物語っています。

数秒間を詳しく見ると、揺れ始めた直後に激しい揺れが襲い、店の棚などが勢いよく倒れる様子や、揺れに耐えきれず店の棚にもたれかかる人の様子、買い物客が最初の小さな揺れで走り出したとたん、店員と共にレジカウンターにつかまって、揺れに耐える様子などが映し出されています。(映像の10秒くらいのところ)

直下地震では震源が近いため、激しい揺れがすぐに来ることが映像から分かります。

また神戸市中央区の映像からは、被害をもたらす揺れの特徴を読み取ることもできます。
レジカウンターの内側のかごが1回の揺れでどのように動くかを見ると、まず上の方向に動いたあと、反対方向に移動し元の位置に戻ります。
この1回の揺れにかかる時間=「周期」は1秒から2秒程度で、木造住宅などの低層建物に大きな被害を及ぼす「キラーパルス」であることが分かります。(2015年1月16日 NHK NEWSWEより)

阪神・淡路大震災から17日で20年です。
阪神・淡路大震災後、2011年の東北地方太平洋沖地震では津波の被害で多数の犠牲者がでたのは記憶に新しいところです。研究者は、「過去に東北沖で発生した巨大地震のように、同じ地域で巨大災害が起きる可能性がある」と、再三警告を発してきました。今回の東北の震災では、研究者の忠告がいかされず被害を甚大にした面があると言われています。

阪神・淡路大震災では、映像や写真などが多く残され、多くがデジタルコンテンツ化されています。地震列島に住んでいる私たちは、原発事故の教訓とあわせ、今後起こるかもしれない震災の被害を最小にするために、未来に語りつないでいかなければならないでしょう。

耐震住宅・耐震建築にはビジネス商品だという側面がある

上の映像から、自然のエネルギーは、巨大なパワー、破壊力を秘めていることがわかります。本来は自然のパワーには無力である人間が、震災から命や被害から免れるため、研究を重ね、現在では建築基準法に耐震基準が設けられています。【耐震基準(たいしんきじゅん)とは、建築物や土木構造物を設計する際に、それらの構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、建築を許可する基準である。(ウィキペディアより)

また、住宅メーカーや工務店、ビルダーは大きな地震に対応した耐震住宅商品を販売しています。確かに、研究開発した商品ですので、一定の耐震効果のある商品、耐震に優れた商品(免震など)もあるでしょう。ただ、地震のメカニズムは複雑で、全容は解明されていません。ですので、耐震住宅・耐震建築でも、自分が住んでいる、あるいは新築を計画している土地、宅地にピッタリマッチした耐震商品だとは限らないのです。

一方、耐震に優れた住宅でも、施工者が未熟であれば効力は半減します。数年前のリフォーム詐欺事件は極端な例ですが、お家を施主様ご家族のために、しっかり建てる技術、そして、しっかり建てる気持ちがなければ、住宅購入者が期待する耐震能力は発揮されません。また、耐震商品・耐震住宅が想定している強度の土地や地盤ではなく、軟弱な地盤であれば耐震性能が発揮されません。

すこし冷めた言い方をすれば、耐震住宅はビジネス商品だという側面も持ち合わせています。新築一戸建てや中古住宅、マンション購入者は、冷静には冷静な判断が求められるでしょう。売り言葉の常套句として、「もしも・・・」という枕詞があります。売り上げを上げたいために不安をあおられ(同情しますが)、住宅で損している人たちを私たちは知っています。

私たち庶民にとって生涯収入は有限です。収入の中で災害への備えは最大限必要です。でも、人生で阪神・淡路大震災のような被害にあう確率は小さいという開き直りも必要だと思います。エコや環境ビジネスへの支出にたいしても、同様に過剰にならないことが大切です。それらには、ビジネスや予算獲得という側面があるのですから。素直に聞いていたらお金がいくらあっても足りません。

リクシルのカーポート「アーキフラン」

阪神・淡路大震災「1.17の記録」で震災の記録が見れます。二次利用することも可能です。

阪神・淡路大震災の特徴

(ウィキペディアから) 地震による揺れは、阪神間および淡路島の一部に震度7の激震が適用された。

福井地震を経緯に設立された震度7が適用された初めての事例であり、実地検分(担当者による現地調査)によって震度7が適用された最初で最後の事例でもある(2004年の新潟県中越地震や2011年の東北地方太平洋沖地震における震度7の観測は、震度計によって実測されたものである)。

キラーパルスを伴った地震動は、数値上でも当時最大級のものとして記録され、10秒以上続いた地域もあった。

震災で被害が大きかった住宅とは

日本瓦を使い、基礎が石に柱を載せただけで、筋交いの少ない老朽化した木造住宅でも多くの死者が出たため、神戸地域においては新築の瓦屋根はほとんど見られなくなった。日本の伝統構法の流れを汲む木造軸組構法の住宅に被害が集中し、新しい住宅においても筋交いなどが不十分であった物件は大きな被害を受けている。坂本功著の『木造建築を見直す』という書において「死亡者のうち5,000人近くは、軸組構法の住宅の下敷きによって圧死した」と述べている。しかし重要なのは、「構造的に問題のある建築瓦屋根のものが多かった」ことにも拘らず、一般的には「瓦が重いから問題」であると誤解されている。(ウィキペディアからの引用はここまで)

木造軸組工法では耐力壁に筋交いや面材が用いられている

木造軸組工法は柱と梁などの木材の「軸」で構造体を構成する工法。この場合、耐力壁と呼ぶ筋交いなどの入った壁を家全体にバランスよく配置することで耐震性を確保する。この壁は、地震の揺れなど水平力(横から加えられる力)に対して抵抗する壁だ。建物の4隅を耐力壁で固め、壁量が面によって偏らないようにすることが大事。耐力壁には、筋交いの代わりに、構造用合板などでできた面材を用いる場合もある。(suumo 耐震についての基礎知識からの引用)

気象庁から震度の階級について

1.震度は「計測震度計」によって測定しています。
かつて、震度は体感および周囲の状況から推定していましたが、平成8年(1996年)4月以降は、計測震度計により自動的に観測し速報しています。気象庁が発表する震度は、気象庁、地方公共団体及び(独)防災科学技術研究所が全国各地に設置した震度観測点で観測した震度です。

震度の算出方法
2.震度階級
気象庁の震度階級は「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級となっています。

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